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珪藻土とは、植物プランクトンの一種である珪藻の遺体(珪藻殻)が海や湖の底にたまり、化石になったものです。珪藻殻には細かい穴がたくさんあいているため、珪藻土は非常に軽く、水や空気を多く含んだり、通過させたりすることができるといった特徴があります。これらの特徴を活かして、珪藻土は断熱れんがやビールのろ過材などとして利用されています。 |
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みなさんは、ササの葉で手を切ったことがあるでしょうか?ササの葉で手が切れるのは、表面にガラス(非晶質ケイ酸)の細かい刃がびっしりと並んでいるためです。このガラスは、ササの体内で作られたものです。ササのように、体内でガラスを作る生物はたくさんおり、珪藻もそのひとつです。
珪藻は、世界中の海や川に生息しており、しばしば大量発生して赤潮を引き起こしたりします。最も大量に存在する植物プランクトンといわれており、地球上で珪藻の行う光合成の量は、熱帯雨林の行う光合成の量に匹敵すると言われています。大きさは0.01~1mm程度で、直径0.1~1μm(1万分の1~1千分の1mm)程度の穴が無数にあいたガラス製の殻を持つことが特徴です。
珪藻には非常に多くの種類があり、2万種類以上が確認されています。海や川、沼や湖など、水のあるところにはどこにでも生息しており、環境によって異なる種が出現します。そのため、珪藻を調べればそこがどんな環境なのか、あるいは、どんな環境だったのかが分かります。例えば、土を掘ってみて、どのような種類の珪藻殻が出てくるかを調べれば、そこが海の底だったのか湖の底だったのか、暖かかったのか寒かったのかなどが分かります。 |
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珪藻土はどのような場所でできるのでしょうか。まず、湖や湾の中といった、流れのゆるやかな場所であることが大事です。流れのゆるやかな場所では、珪藻はしばしば大量発生します。大量発生が始まってからしばらくたつと、水が色づき日光がさえぎられてしまい、養分も使い尽くされてしまうため、珪藻は死滅してしまいます。死滅した珪藻は水底に沈み、ガラス製の殻以外の部分は微生物によって分解され、栄養分を放出します。放出された栄養分が水面近くまで移動していくと、再び珪藻が大量発生します。このように、珪藻の大量発生→死滅→大量発生というサイクルが長年続くと、水底に珪藻の殻がたまっていきます。
これに加えて、河川からの土砂の量が少ない、水底の地形が盆地状になっており周囲からの土砂がせき止められる、といった、まわりから流れ込む土砂が少なくなる条件がそろうと、珪藻土ができ上がります。まわりからたくさんの土砂が流れ込むと、珪藻土にはならず、珪藻殻が多く含まれているだけの普通の土になってしまいます。 |
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